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イースターも明けて、また忙しい日々にすぐ戻るかと言うと、 そういうわけでもないのが、イギリスのいいところ、 今日なんかは、はんどんの土曜日みたいな雰囲気です。 朝はまだまだ車も少なく、ホントに長期の休みをとってる人や、 大学生が学校に戻るまで、こののんびりした朝の通勤を楽しめます。 毎朝、アイポッドでポッドキャスティングを楽しみに聞いています。 ほとんどが英会話練習用の教材などです。 感心するほどいい表現の仕方が沢山あるのに、 ホントに会話で生かせない表現ベタな日本人です。 ひそかな楽しみは、落語です。 ニフティーがスポンサーでやっています。 若手の落語家さんを育てる目的でやっていて ほとんどが古典です。 落語を聴き始めるのによいなあーとおもって、聞いています。 興味本位で聞き始めたのですが、 今では大切なバロメーターです。 自分の精神状態を測るのに良いものでして、 締め切りに追われたり、先生のプレッシャーを感じたり、 家具に取り付かれている状態のときは、 この落語を楽しめないテンションになっています。 つまり、てんぱっていて、周りが見えていなくて、 怪我なんかをしやすいのです。 なぜかと言うと、落語はホントにくだらない日常の話が多くて、 淡々と話が進みます。ましてや若手の方の語り口調ですから、 聞きほれると言うものでもない。 ので、自分が躍起になってるときは、この調子を受け入れられないのです。 ですので、自分の心のバロメーターにして、気を引き締めるようにしています。 このイースター明けの待ったりした感じには、ばっちり落語のあう一日でした。 #
by scott_hachisuka
| 2007-04-11 05:53
| 学校
この週末はイースターということで、ゆっくりと休みをとりました。 久しぶりに家具から離れて、ブログを更新したり、 または、ブログを見にネットサーフィンをしたりとゆったりとすごしました。 そんな中で、「料理人の休日」というブログに出会いました。 このブログを書いている方は エル・ブランシュ オーナーシェフ 小川智寛さんです。 僕はこの方の修行時代の話にひきつけられました。 日本での修行時代も、フランスでの修行時代も想像以上でした。 ほんとに大変なんですね。 ビックリしました。 腕を磨くとか、技術を向上させると言うこと以前に、 毎日必死なんですね。 その日その日もうめいいっぱい仕事をされています。 目からうろこと言うか、頭で考えて、ああしてこうしてなんて考えている暇はないのですね。 その日その日の仕事を全うするために全精力を傾ける。 必死でやってるときはきづかないかもしれないですけど、 後で振り返れば、もう2度と同じことは出来ないなー。なんて思うのでしょうね。 そして、ビザの問題だったり、お金の問題だったり、いつも行く手を阻まれることになっても 誰かが手を差し伸べてくれたり、思わぬところから声がかかったりと、 奇跡的にフランスでの修行を修めていきます。 他人にとっては地獄のような修行時代。 でも本人にとってはかけがえのない修行時代。 自分以外の誰かに後押しされて、目に見えない力に導かれて、 自分の行くべき道をたどってきたのでしょう。 僕もきちんと、自分の居るべき道にたって、しっかり前を向いていきたいと思いました。 #
by scott_hachisuka
| 2007-04-09 22:55
| イギリス
先々週、そろそろイースターのホリデイも始まるなー、 なんてはなしをしていたら、去年の生徒がチラホラ遊びにやってきました。 去年はそんなにはなしをしなかったのに、 今年は就職への興味もあって、少し情報交換をしました。 みなそれぞれ、家具にまつわる世界で仕事をしていて、自分の稼いだお金で生活していることは、彼らに自信を持たせているように映りました。 そして、相変わらず、家具への情熱が毎日の生活を潤す大きな源になっているようでした。 今やってる家具の話をふくめて、日本人がヨーロッパでビザを取ることの難しさも感じました。 基本的には、EUのひとに職を与えることを考えて労働条件やTAX、保障が成り立っていますので、僕が仕事を得ることは、EU圏の人の仕事を奪うということになります。 ですので、サッカーのプロ選手でもコチラで労働許可を取ることは難しいのです。 ですが、ぼくだって、この2年それなりに授業料を払い、時間をかけて技術と知識を得てきたのですから、ここはひとつ職を得て、ポンドで取り返したいものです。 さてさて、そろそろこのキャビネットも終わりに近づきました。 これから、問題のグリルに入ります。 もともとはトップセクションの真ん中の収納のガラスドアーの裏側にグリルが取り付けられていて後を見たのが、事の始まりでした。このグリルを作って収めようと言うことを、ディーラーであるクライアントはもちろん提案します。 オリジナルに近い状態を望みますからね。ディーラーは。 それでいざブラスのフレームとグリルの大きさを外側の小さなグリルから測定して、 寸法を決めました。 ブラスのオーダーはインターネットの材料屋から簡単に出来て、2日後には到着。 いざ、加工に入りました。フレームは先生の担当。グリルは僕の担当。 グリルはまず並べるための網状の治具を作りました。 このひし形の沢山並んだ奴をひとつづつ、手打ちで止めていき、この隙間にブラスが並べられます。まずこれだけで一日作業でした。 寸法とり、治具つくりを経て、今度はクロスする部分を一つ一つカットしていきます。 つまり交差する部分でお互いにかみあいます。これを角度と位置をしっかり計算して、 チェックした場所とうりに、やすりで削って溝をつくります。 これで編みこみの出来た状態です。 そして、フレームは先生が一生懸命スクレーパーで削って九の字型に作りました。 四隅は留めかこうです。45に切られた部分を半田付けで接着しました。 この接着が難しくて、最初は大きな範囲を熱したため、ブラスが曲がってしまい、失敗。 この後、メタルの先生にスポットで接着をしたもらい成功。 そして、グリルをあてはめて、とりあえず形は出来ました。 ココから着色をしてさあ、取り付けと思ったとき、唖然とします。 僕達はドアの裏側の取り付けられたあとから、寸法を決めたのですが、 このドアがオリジナルではなかったのです。 ですので、せっかく作ったグリルはドアの内側に収まりません。 そして、一度半田したコーナーをカットして、寸法を縮め、 もう一度半田して収めました。 その誤差1.5mm何とかなったからよかったものの、 こういう失敗をとうして家具修復の難しさを感じます。 でも、この経験をとうして、またひとつ家具を見るポイントを得ました。 #
by scott_hachisuka
| 2007-04-07 03:28
| 家具
さてさて、アタッチメントの部も終わって、 いよいよ、残すは、表面のカラーリングとフィニッシィングです。 新しく入れたパッチの部分と、色違いになっているサイドパネルのところ、 あと、ブックマッチでベニヤが張られているのですが、木目のし吸収力が違ったのか、 色に差があることなどに手を施します。 まずは、テーブルトップのコーナー部分。 新しくベニヤを入れて、着色。もともとそこにあったような感じに仕上げる。 鍵のロックされていない状態で何度も開かれている間に、鍵の形状に擦り減った部分。 ここは、議論が分かれました。これは、200年分の使われた跡なんです。 だから、僕達はこうゆうマークはチャーミングだから残したいのです。 だけど、ディーラーからすると、傷だと言うことで直すことに。 残念。 足のベニヤを入れた部分も着色。少しにごったオレンジ。 サテンウッドは経年変化で色が濃くなるものと、うすうなるものがあって、 それぞれに魅力があります。 トップのサイドパネル。何故このような色違いが起こったのかは不明。 刷毛で色を薄く重ねていきました。 手前が少し色が薄い状態で終了。手前はよく日光が当たっているはずなので、 全て同じ濃さにすると違和感が出ますので、このくらいでストップ。 この家具ののカラーリングは、表面が非常に不安定な状態(オイル系の塗料が使われていたり、アルコホール系の塗料が使われていたりで表面がその層ごとに分裂しようとする。)なので色をのせるのが非常に困難でした。 カラーリングは日本ではたらいているころ、みっちりやりましたので、楽しく作業することができました。 いよいよ次の真鍮製グリルで終了です。 #
by scott_hachisuka
| 2007-03-25 10:13
| 家具
さあ、コンストラクションが終わったので次はアタッチメントです。 表面的な装飾の部分の直しです。 ベニヤ、インレイ、マーケトリー、金物、ガラス、アイボリー、布張り、などなど 家具には装飾に使われるさまざまな材料がさまざまな技法で使われています。 特にこの家具の特徴として、装飾に使われている多くの素材が楽しみでもあります。 鍵穴の周りは象牙の飾りがあります。 真ん中の収納の背板にはシルクがはられています。 トップには真鍮で出来た柱と網の目上に格子がはられていて、その上にもギャラリーがあります。 よく見ると真鍮は手で削られており、なみなみになっています。 手塗りでラーカーやポリッシュを塗りたくっていてまっすぐの機械カットとは違う輝きを出しています。 これは家具の講師としてやってくるいろんな人が口をそろえて言うことですが、 「アンティーク家具の魅力のひとつは、手作業で作られていること。 限りなく直線にまっすぐな線や、限りなくスムーズなRの美しさ。でもまっすぐではないし、きちんと円弧になっているわけでもない。その少しの「ずれ」や少しの「乱れ」の上に、数百年の時の経過だけがもたらす艶の輝きが素晴らしいのだ。」 といって家具に残る昔の手作業の跡をよく探します。 この家具は日本の方から見るとかなり、不気味と言うか不思議な形をした家具に見えると思いますが、そういった手つくりの魅力と、細かい部分をきちんと作ってあるクラフト万シップが随所に見られる、いい家具だと思います。 #
by scott_hachisuka
| 2007-03-25 10:08
| 家具
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