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多分West Dean Collegeで最期のチャレンジになると思われる修復課題。 家具の一種に含まれるけど、分類で言うとBOX。 これは手紙を書いたり、ちょっとした書き物に使われていたWriting Slope。 ![]() 19世紀後半から20世紀初頭のものとおもわれ、 インドのVizagapatamで作られていたスタイル。 木は日本ではビャクダンとよばれている 香りの強いもの。 アロマテラピーやお香などにも使われる匂いです。 その上に象牙でフレットワーク(意匠をくりぬく作業) を施したものを銀のピンでとめています。 ![]() 2年間で一番大きい家具。 China Glass Cabinet ![]() 白い部分はペイントが施されていて、 何層にも塗り固められていて、相当な厚みがある。 金色の部分はギルディング(金箔)が施されている。 いろんな装飾が混合一体としている。 19世紀後半の家具。 ![]() この二つの家具がこのタームの主な課題となり、 今は修復プランとリサーチに追われています。 この二つの家具をこれからできるだけレポートしていきます。 #
by scott_hachisuka
| 2007-05-20 17:50
| 家具
僕には甘えた悪い考え方がある。 自分の考えが先生と違って、 先生がYESといわないときは 思い切ってやってみる。 Yesをもらうための努力はするのだが、 結局はやってしまう。 話し合いで解決するという紳士的な作業に 時間を費やす精神的な鍛錬がされていない。 非常に暴力的に解決をしてしまう。 強行突破。 それで、失敗しても仕方がない。 だってそうやりたいと思ったからね。 かるく開き直る そのための学校だし、 今のうちしか、その失敗の賄い方も 学べないからである。 屁理屈。 そういう意味では沢山先生にしかられ、 そして失敗した後の処理の仕方を学んだ。 クラスメートにも 頼むから先生の気分を壊すようなことを するなといわれてきた。 先生はありとあらゆる失敗の経験をしている。 全ての失敗のケースを話してくれて、 「だから、このやり方でいこう。」という風に話をしてくれる。 それでも自分で試したくなって、やってしまう。 だいたいはそれでも成功しているので、 先生も注意程度で済ませてくれている。 そういう甘えた考え方も先生の上手い操り方のお陰で 気分よく作業をさせてもらってきた。 これまではそう思わないと、アンティーク家具に手をつけることに ビビッてしまって、何もできなかったのである。 それをなんとかビビらないためにそんな屁理屈が必要だった。 が、今回はそうもいかないようである。 かなりきつくお灸をすえられて、’ハウス’。 まったがかかった。 これが、すごいフラストレーションで きつかった。 #
by scott_hachisuka
| 2007-05-12 21:57
| 学校
とにかくどんどん修復を進めたくて、 先に先にすすめていた。 今度の大会用にもらったオブジェクト そのほかのオブジェクト 自分なりにリサーチを進めて、 すこしづつ作業に取り掛かろうとしたとき、 先生から待ったがかかる。 いろんな質問を受けて、答えられない。 今回だけは失敗は許されない。 「先生も責任を取らない」といわれた。 もう完全に僕の性格や精神状況を読んでいて、 先回りして言われた。 まだまだリサーチをしなければならない。 先週は1週間何も手をつけず、リサーチのみ。 オブジェクトの歴史。 マテリアルの業者探し。 クリーニングに使う素材の安全シートのget。 専門家への手紙といろんな質問。 やっとマテリアルが手に入ったら、 今度は各素材の成分表と顕微鏡の拡大写真。 大会で僕は短いプレゼンをしなければならないのだが、 その内容にたくさんの質問がむけられるらしい。 作業をしている間はあんなに楽しいのだが、 このリサーチは本当につらい。 リサーチ自体は本当にオブジェクトを理解するために必要な過程である。 それをしっかり積み重ねてきた人だけだが、 supecialistと呼ばれる人であり、 単純労働者に陥りがちな技術職と マエストロや専門家と呼ばれる かくの違いは丹念なリサーチと 膨大な知識から 作業の内容を科学的にせつめいできるかどうかである。 それを目指す人がいて、一所懸命、皆、勉強しているのだが、 僕の場合は、家具のレベルが上がり、周りの状況が 僕の身勝手を許さない状況に持ち込まれたのである。 直しの必要な家具が目の前にあって、 その家具に手をつけれないこの辛さ。 こういう気持ちになったのははじめてだ。 最期の貴重なタームに技術的なことに時間を費やせないことをうらみ 先生に文句を言いたかったのだが、やめることにした。 またひとつ違うレベルの仕事に入ったんだなと気がつく。 このリサーチが終わって、 直しのプランも全て作れたときに それによって家具の修復を終えたときに ひとつ家具の事を深く理解することになり、 本当のイギリスでの学習を終えることに なるのだなと思う。 ここはじっと辛抱することにした。 この結果はもう2ヶ月もすればわかる。 この辛抱した結果、 どんなふうに感じているか、 2ヵ月後の卒業式のコメントが楽しみである。 #
by scott_hachisuka
| 2007-05-12 21:24
| 学校
春休みに3週間、 先生とマツーマンで、 徹底的に教えてもらうことで、 かなり充実した日々をすごした。 自分の力に若干勘違いした。 僕達の仕事の進め方は、 本当に逐一先生のOKをもらわないと進められないし、 先生が気に入らなければやり直ししなければいけない。 それは僕としては何も問題もない。 例えばピン一本抜くとしても、 どんな道具を使って、どうやって抜くかということを話し合い、 時には言い争いになることもある。 そんな作業ひとつも プロとしてはお客さんに説明をしなければいけないからである。 どうしてそうするのか。 それだけのこだわりとプライドを持って 仕事に向き合わなければいけないらしい。 そんなの結果よければ何でもいいんだよって、 いうような男はアマちゃんである。 というような事は良く聞かれる。 僕はそれは頭で理解しているし、 そういう人たちの会話を聞くことも好きだ。 だけど、まったくそういうこだわりはない。 もてない。 結果としてきれいにピンを抜ければ、 そのときの思いつきでいいと思っている。 だから、そこに時間を費やして討論するくらいなら、 どんどん作業を進めたいので、 先生の言われたとうりにすぐにやって、次に進む。 つまり、まだ自分のロジックで持って仕事をしておらず、 アマちゃんなのである。 #
by scott_hachisuka
| 2007-05-12 21:04
| 学校
先週は初めて家具を直すこと、 学校に通うことにずれを感じた。 もっと言うと、すねた。 僕の精神的な安定は、 (海外で1人暮らしをすると精神的な安定を取ることはすごく難しいことです。) 家に帰ると、嫁さんがいて、いろんなことが日本語で話せること。 毎日工房で家具をさわれること。 この二つから成り立っている。 コチラは週休2日が当たり前なので、 土日と学校の工房に行かないと、気持ちが落ち着かず、 イライラする。 そして僕の頭の中では絶えず、 就職できなければ、 日本に帰らざるをえず、 もういろんな家具とは めぐり合えないのかもしれない という恐ろしさがある。 だから、学校にいる時間がとても貴重である。 この2年間は幸せなことに、 技術的なことや、英語のこと 頭の中はそんなことばかり。 前向きな悩みでいっぱいだった。 いろいろ大変なこともあったけど、 全てがいい経験であり、 ホントにチャレンジしているなーという充実感があった。 今は家具を目の前にしてお預けの状態。 さわってはいけない。 作業を進めてはいけないという一週間だった。 グーンとモチベーションが下がった。 その下がり方も落ち着くと 焦っていただけなのかも知れないと思い始めた。 少し冷静になって、しっかり家具を見つめる時間を持ち始めた。 #
by scott_hachisuka
| 2007-05-12 21:02
| 学校
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