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すこしづつwriting slopeの修復が始まりました。 この引き出しはビャクダンで出来ています。 かなり密度の高い木ですので、さくさく削れます。 その感触がとても気持ちのいい材料です。 鉋で削るたびにいいにおいがします。 ![]() このslopeの引き出しを分解することから始めたのですが、 僕は3時間かけて少し組み手を緩めただけでした。 それぐらい念入りに作られたいい組み手だったのです。 念いりというのは、全てのジョイントに膠が使われていて、 薄い底板は、焼き鳥の串ほどの太さの 鉄製のピンがしっかり仕込まれていていました。 写真の黒いところにピンが入ってました。そして、この薄さの板に 段継ぎがされています。 ![]() 見かねた先生がやってきて、30分で分解してしましました。 それはもう、外科医の名手とでもいえそうなほど、 見事な手さばきで、クラシックを鼻歌でかなでながら 楽しそうにやってのけました。 その後、 writing slopeが非常に乾燥した状態にあります。 それが原因で今の状態になっているのでは、という予想から、 木材の中にある水分をコントロールして 構造部分の修復に取り掛かろうということになりました。 いたって簡単です。 まずは湿度の高い場所を探します。 それよりももう少し高い湿度にして、 その場所にwriting slopeを保管して観察しています。 水牛の角で来たモールディングを割っています。 ![]() 象牙で出来た装飾をわって弾き飛ばしています。 ![]() 底板がゆがんで波打っています。 ![]() これらは全て下地材の木が暴れておこりました。 今は木がすごい力でねじれいてます。 無理やりクランプで締め上げるようなことはしたくなかったので、 一度テンションを緩めてから施工することにしました。 面白いことがおこります。 加工された木には記憶があって、木が一番いい状態に戻ろうとする。 と、僕は思っています。 一番心地よくて、そこにいたいと思う場所に戻るのです。 ですから、水分を一度多く含ませて、 乾燥させる工程ですこしづつ圧力をかけていけば もともとまっすぐだったものはまっすぐになる場合があるのです。 しかし、木にも曲者がいて、曲がった状態が心地よければ、もっとねじれる場合も ありますし、一度まっすぐになってもまたねじれる場合があります。 結局無理やりまっすぐには出来なのいので、 木にとっていい環境を作ってやるしかありません。 こういうのも、人間の性格に似ていて面白いのです。 修復によってそれぞれアプローチの仕方違いますので、 このやり方が全てではありません。 ただし、だいたい経験者は同じような方法を取りますので、 自然な理にかなった方法はそんなに沢山ありません。 それでもその方法をとる理由や考え方は人それぞれなのが、 その人の個性を表すので 面白いのです。 これからこの板が水分を含ませることで 今はねじれによって、角が上がってしまっているこの板が 何もしなくてもフラットになるかどうかの観察をします。 ![]()
by scott_hachisuka
| 2007-05-26 21:33
| 家具
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