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とにかくどんどん修復を進めたくて、 先に先にすすめていた。 今度の大会用にもらったオブジェクト そのほかのオブジェクト 自分なりにリサーチを進めて、 すこしづつ作業に取り掛かろうとしたとき、 先生から待ったがかかる。 いろんな質問を受けて、答えられない。 今回だけは失敗は許されない。 「先生も責任を取らない」といわれた。 もう完全に僕の性格や精神状況を読んでいて、 先回りして言われた。 まだまだリサーチをしなければならない。 先週は1週間何も手をつけず、リサーチのみ。 オブジェクトの歴史。 マテリアルの業者探し。 クリーニングに使う素材の安全シートのget。 専門家への手紙といろんな質問。 やっとマテリアルが手に入ったら、 今度は各素材の成分表と顕微鏡の拡大写真。 大会で僕は短いプレゼンをしなければならないのだが、 その内容にたくさんの質問がむけられるらしい。 作業をしている間はあんなに楽しいのだが、 このリサーチは本当につらい。 リサーチ自体は本当にオブジェクトを理解するために必要な過程である。 それをしっかり積み重ねてきた人だけだが、 supecialistと呼ばれる人であり、 単純労働者に陥りがちな技術職と マエストロや専門家と呼ばれる かくの違いは丹念なリサーチと 膨大な知識から 作業の内容を科学的にせつめいできるかどうかである。 それを目指す人がいて、一所懸命、皆、勉強しているのだが、 僕の場合は、家具のレベルが上がり、周りの状況が 僕の身勝手を許さない状況に持ち込まれたのである。 直しの必要な家具が目の前にあって、 その家具に手をつけれないこの辛さ。 こういう気持ちになったのははじめてだ。 最期の貴重なタームに技術的なことに時間を費やせないことをうらみ 先生に文句を言いたかったのだが、やめることにした。 またひとつ違うレベルの仕事に入ったんだなと気がつく。 このリサーチが終わって、 直しのプランも全て作れたときに それによって家具の修復を終えたときに ひとつ家具の事を深く理解することになり、 本当のイギリスでの学習を終えることに なるのだなと思う。 ここはじっと辛抱することにした。 この結果はもう2ヶ月もすればわかる。 この辛抱した結果、 どんなふうに感じているか、 2ヵ月後の卒業式のコメントが楽しみである。
by scott_hachisuka
| 2007-05-12 21:24
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