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先々週、そろそろイースターのホリデイも始まるなー、 なんてはなしをしていたら、去年の生徒がチラホラ遊びにやってきました。 去年はそんなにはなしをしなかったのに、 今年は就職への興味もあって、少し情報交換をしました。 みなそれぞれ、家具にまつわる世界で仕事をしていて、自分の稼いだお金で生活していることは、彼らに自信を持たせているように映りました。 そして、相変わらず、家具への情熱が毎日の生活を潤す大きな源になっているようでした。 今やってる家具の話をふくめて、日本人がヨーロッパでビザを取ることの難しさも感じました。 基本的には、EUのひとに職を与えることを考えて労働条件やTAX、保障が成り立っていますので、僕が仕事を得ることは、EU圏の人の仕事を奪うということになります。 ですので、サッカーのプロ選手でもコチラで労働許可を取ることは難しいのです。 ですが、ぼくだって、この2年それなりに授業料を払い、時間をかけて技術と知識を得てきたのですから、ここはひとつ職を得て、ポンドで取り返したいものです。 さてさて、そろそろこのキャビネットも終わりに近づきました。 これから、問題のグリルに入ります。 もともとはトップセクションの真ん中の収納のガラスドアーの裏側にグリルが取り付けられていて後を見たのが、事の始まりでした。このグリルを作って収めようと言うことを、ディーラーであるクライアントはもちろん提案します。 オリジナルに近い状態を望みますからね。ディーラーは。 それでいざブラスのフレームとグリルの大きさを外側の小さなグリルから測定して、 寸法を決めました。 ブラスのオーダーはインターネットの材料屋から簡単に出来て、2日後には到着。 いざ、加工に入りました。フレームは先生の担当。グリルは僕の担当。 グリルはまず並べるための網状の治具を作りました。 このひし形の沢山並んだ奴をひとつづつ、手打ちで止めていき、この隙間にブラスが並べられます。まずこれだけで一日作業でした。 寸法とり、治具つくりを経て、今度はクロスする部分を一つ一つカットしていきます。 つまり交差する部分でお互いにかみあいます。これを角度と位置をしっかり計算して、 チェックした場所とうりに、やすりで削って溝をつくります。 これで編みこみの出来た状態です。 そして、フレームは先生が一生懸命スクレーパーで削って九の字型に作りました。 四隅は留めかこうです。45に切られた部分を半田付けで接着しました。 この接着が難しくて、最初は大きな範囲を熱したため、ブラスが曲がってしまい、失敗。 この後、メタルの先生にスポットで接着をしたもらい成功。 そして、グリルをあてはめて、とりあえず形は出来ました。 ココから着色をしてさあ、取り付けと思ったとき、唖然とします。 僕達はドアの裏側の取り付けられたあとから、寸法を決めたのですが、 このドアがオリジナルではなかったのです。 ですので、せっかく作ったグリルはドアの内側に収まりません。 そして、一度半田したコーナーをカットして、寸法を縮め、 もう一度半田して収めました。 その誤差1.5mm何とかなったからよかったものの、 こういう失敗をとうして家具修復の難しさを感じます。 でも、この経験をとうして、またひとつ家具を見るポイントを得ました。
by scott_hachisuka
| 2007-04-07 03:28
| 家具
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