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早いものでワークプレイスメントも3週間が過ぎました。 毎日ほぼ往復4時間の道のりを、定期的に遅れる電車にイライラしながら通勤しています。しかし、まあ、雨が降っては遅れ、風が吹いてはとまり、(今回の風は台風クラスだったので仕方ないのですが)それでも運賃は大陸の3倍はするといわれる高さですからね。ちなみに6週間の定期を購入しましたが、約10万円です。東京-熱海間ぐらいですから、高いのか安いのかわかりませんが、サービス的には良くないことは確かです。 気分を取り直して、ワークショップの紹介をします。 1月3日から、ロンドン、ウインブルドンにあるCompton &Schusterというワークショップでお世話になっています。 6週間の予定で、デコレイションスタッフを教わります。 主にギルディング、ジャパンニング、漆、ペイントスタッフなどになります。 主催者はヨークシャーにある、マナーハウス、Newby Hallの令嬢で、ルシンダさんです。主にヨークシャーで生活しているので、ロンドンのスタジオはビジネスパートナーの、ドミニクが仕切っています。 ![]() Newby Hallはイギリスでも有名な御宅です。13世紀ぐらいからあるそうです。 きっと教科書とかに載るようなところだと思います。 何で有名かと言うと、単純にそんな古い家が残ってるだけでもすごいのですが、 ロバートアダムによるデザインのネオクラシック調の内装と数多くのトーマスチッペンデールによるデザインの本物の家具が多数あることです。 ![]() ![]() 去年の3泊ヨーク家具ツアーでお邪魔したときには、国宝級といってもいい家具をかなりまじかでみせていただきました。オーナー自身も保存修復の権威であり、有名なラッカーワークのコンザベーターです。僕達以上に熱心に家具へのアプローチをしており、食いつくように家具を見ても嫌な顔ひとつせずに喜んで説明をしてくれました。 ![]() 数あるワークプレイスメントの候補にはウインザーキャッスルやその他美術館もあり、履歴書に書けば一目置かれる場所は沢山あったのですが、その時の好印象があってこちらにお世話になることを決めました。 ![]() コチラはやはりプレイベートのお客さんを相手にしているワークショップですので、ビジネス上勉強になることも多々あるだろうと言うことも考えにありました。 なにしろ、美術館系の仕事は時間がかかるので面白くないんです。 今はとにかく数をこなすことも大切な課題ですから、数多くの家具と触れ合うチャンスがあるほうが良かったのです。 去年の生徒が行ったウインザーキャッスルでは6週間でひとつの家具でしたが、今回は3つくらいは触らせてもらえそうです。 ![]() 次回からレポートに入りますが、まずはジャパンニングの家具がひとつ完了しました。 東洋の品物が貿易によってもたらされるようになり、お茶や香辛料が中心でしたが、ごく数量の漆の家具が入ってきました。その漆の家具に魅了されたヨーロッパの職人たちが富豪家の要望で似せて作ったものがその歴史の始まりです。また富豪家の間でお茶を飲むときは東洋風のテーブルと椅子で飲むと言うのも流行しました。 しかし、漆と言うものが使われていることを知るようになるまでに数百年かかるほど、その作成過程は謎に満ちていました。ですので、彼らはshellacやVernishを使ってその色合いと艶をまねていきます。今では、漆を使っていない東洋風に作られた家具をjapaning furnitureと言っています。一番下のこの黒い家具をなおします。 ![]() http://www.comptonandschuster.com/ Compton&Shusterホームページ http://www.newbyhall.com/ Newby Hallホームページ
by scott_hachisuka
| 2007-01-20 09:14
| 家具
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