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新しくマサムネ工房のHP、ブログを作りましたので、 ぜひご覧ください。 マサムネ工房ホームページ http://masamune-workshop.com/ はこや ホームページ http://hakoya.masamune-workshop.com はこや Antique Box ブログ http://blog.masamune-workshop.com/ FACEBOOKページ http://www.facebook.com/masamunehakoya お問い合わせは こちらからお願いします。 http://hakoya.masamune-workshop.com/form/inquiry.html また皆さんに読んでもらえるよう、日々精進していきます。
前回の投稿からずいぶん時間があいてしましました。 今現在は、もう卒業式を終えまして、日本への帰国の準備で大忙しです。 そうなのです。イギリスから撤収します。 卒業式には両親が日本からきてくれました。 かれこれ2年と半年ぶりでしょうか? 久しぶりに会った両親は長旅で疲れてはいましたが、 思ったよりも旅行を楽しんでいてくれていて、ほっとしました。 そして、つい先週まで一緒に旅行を楽しみ、 仕事のオファーを待っていたのですが、 時間切れ、日本で次の生活をスタートさせることにしました。 さてさて、それはさておき、 卒業式前2週間、いよいよ仕上がりが近づいてきました。 この頃から、緊張でよくえづくようになりました。 もし、ガラスを割ってしまったら。 もし、ドアが入らなかったら。 もし、ベルベットが足らなかったら。 などなど悪い方へ悪い方へ考えます。 クラスメートの協力を得て、組み立てを行います。 下のパーツはバラバラに外していたので、柱をいれ、ドアをいれ ![]() そして天板を入れ込みフィックスします。ねじで閉めて、仕上がり。 そして上のパーツを下のパーツのえ上に重ねおいて、 ドアを入れていきます。 ![]() 全体を組んでみて初めてその大きさを知りました。 そして予想以上の素晴らしい姿を見せました。 ![]() 最期にもう2度とこんな大きな仕事は出来ないだろうなと思いながら、 ガラスを磨いていると、 ガラスの中にたくさんの空気が入っているのを見つけました。 あまりにもまったいらなガラスなので、 時代の新しいものだとばかり思っていました。 つまり、オリジナルのものではなく、 ココ40年から50年の間に、新しく入れられたものだと。 ですが、こうやって最後の最後にまた新しい発見をして、 このガラスもオリジナルかも知れないと思ったとき、 いかに人間の目がアヤフヤで自分に都合のいいことしか見ていないことを知りました。
一応、最期のテスト。 全てのぺーパーワークと家具の進行状況をチェック。 先生とサブチューターによって査定がされ、 グレード1、1で卒業が決定。 一応実技と学科にわかれて一番いい評価の1をいただきました。 この学校はBADAやBAFRAなどのアンティーク協会に支持されていると共に 先生を査定する人たちも派遣されています。 先生が変なことを教え方をしていないか、また時代にあったアンティークの 考え方にそって授業がなされているか、チェックが入ります。 また、先生も孤独にならず、方向性のアドバイスをもらったり、 相談を持ちかけたりすることが出来ます。 その査定官3人に向かって、恒例のプレゼンを済ませます。 今回で4回目、さすがに慣れたのか、きちんと全てを話しきり、 ノークエスチョンで終了。 これで卒業も決まったので、リラックスできるともいかず、 後はナントカもうひとつの大きな家具を仕上げなければなりません。 今は内側ベルベットの張替え。 先生が水のりを塗ってます。険しい表情。 ![]() これが本当に扱いにくいマテリアル。 水のりで貼っていっているのですが、すぐに水分を吸って縮みだします。 そして、強く押したりしようものなら、すぐにあとがつきます。 余った部分のカットも難しくて、厳密に織り込まれた糸にそっていかないと パイルが抜けて穴があいたように。。。。 数時間かけてナントカ天井が完成 ![]() もう2度と手を出したくないマテリアルです。 ギルディングとカラーリングは問題なく進行していて、 後は時間との勝負。 明日も朝からワークショップで作業頑張ります。 クリーニング前の汚れ ![]() このギルディングにあわせたクリーニング剤で丁寧に汚れだけを取り除きます。 ![]() このようになくなっている箇所はかたどりして作ります。またその周りも色違いが 見られます。 ![]() カラーリングとギルディングとエイジングの終了。 ![]()
いやー、なんとか間に合いました。 最終的にすべてが終わったのは今日の朝です。 9時に会場セッティング 12時インタビュー 5時結果発表 となります。 細かい調整やクリーニングなどを繰り返し、 古さを保ち、ぴかぴかでない、味のある家具に仕上がったと思います。 安堵するまもなくいざ競技会へ。 この時点でもう順位はどうでもよく、 無事にコンペ会場まで運び、きちんとレイアウトして とりあえずこのプレッシャーから開放されたい。 そう強く思いました。 午後12時 インタビューの順番です。 ココに来るまでに、まず学校で選ばれ事が大変。 審査基準をクリヤーして、本戦に残るのも大変。 コンペにでれることは大変光栄なことです。 A4,4ページのエッセイや、ディスプレイ用の写真のレイアウト 大変な準備をしてやっとインタビュー。 卒業間じかのこの時期に結構な時間を費やしました。 インタビューでは方法論や、マテリアルの扱い方の説明、家具へのアプローチの方針などをプレゼンして、質問を受け、20分ぐらいで終了。 ほっと一息。何もする気にならず、午前中は終了。 今回は学校が会場に選ばれたので、空き時間は次の家具へ没頭。 午後5時 結果発表。 全英家具修復コンペティション 第2位・・・Masahiko Hosokawa 嬉しかったです。 表彰式の後、いろんな人と話すチャンスがありました。 2人ほど、わざわざお祝いを言いに審査委員の方がきてくれて、 「君に投票したよ。あと数票差だったよ。惜しかったね。技術的にもアプローチの仕方も僕は君のファンだよ。」といってくれました。 「特に技術的にはハイスタンダードにあるね。皆は一年かけてこのコンペに用意してきたけど、君が5週間でやってのけたのもすごいことだよ。」 とお褒めの言葉をもらいました。 僕は無理をせず、なるべく家具の今現在の状態を残しました。 新しく入れなおす部分を極力少なくして、 無理にまっすぐにしたり、伸ばしたり、変えたりしませんでした。 ムリならムリでそのままおいとくことにしました。 これが、好評で、ひとつの方法論として、いいアプローチの仕方だといわれました。それが嬉しかったです。 やっぱり修復の醍醐味はきれいに直すこと。 「え、とこ直したの?」が一番の褒め言葉。 でも、20年後も30年後も今の状態をキープできなければ駄目。 今回のコンペできちんと結果が出たこと。 2年かけて得たものが何か見えたこと。 まだまだ勉強する点があること、 いろんなことが明確になってうれしかったです。 両親をはじめ、応援してくれたみなさんどうもありがとうございます。 もう一息なので、最期まできちんとやりとげたいと思います。
んー、気分爽快。 ずっと、緊張しっぱなし。 BAFRAのコンテスト用の直し、ペーパーワークの提出期限。 おまけにこのタームの最終レポートの提出期限、 そして、もうひとつの家具の問題山積み。 でもひとつ解決。 一度修復が本格的に始まると 僕としては、ずっと手術をしているような気分。 絶えず気になってることがあたまにあって、 周りのクラスメートのように それはそれとして、5時には作業を終えて、 飲みにいくという気分にもなれない。 まだまだ経験技量ともに未熟なのです。 一番気になっていた、ドアの不具合。 このブログではキャビネットの方はレポートしていないのですが、 同時進行進行していて、 ドアが閉まらなくなっていた。 ナン十年もしめった倉庫に保管されていたのものを、 ワークショップに運んできて一年保管。 2階のワークショップに運び出して一週間で 急激に木の乾燥が進んだようだ。 この時期の湿度、室内40%以下 このあたりは経験からわかってきたのだが、 単にワークショップの湿度を下げるのではなくて 家具がずっと置かれていた環境を聞いといて、 ワークショップの湿度を調整してやるといいみたいだ。 面白いのは、writing slopeが湿度60%でとても良い状態を 保っていること、2階のワークショップは湿度50%をキープしていて それでも1階から2階にうつすと、突然いろんな箇所で 動きが見られる。引き出しのうすい底板は急激にそり出す。 話をもとにもどして、 なんせ、そのドアの閉まらなかった原因が、急激に乾燥したため。 6mmも必要な長さなくなってしまった。 元に戻るかあーなんてのんびり半年置いといたのだが、 戻らない。 新たにピースを付け加えて、もとの長さにする。 上手くドアも収まり、一安心。 最大の山場を切り抜けたので、体全体の力が抜ける。 家に帰り、夜9時には寝てしまった。
多分一番の難関 アイボリーのフレットワーク。 ![]() キレイに形をトレースすること。 これは試行錯誤していると、 クラスメートのハームが、フォトショップを使って形をトレースする方法を 教えてくれました。 ということで、形、サイズを手に入れ、 次は、カッティング。 ![]() ![]() テストピースが出来ました。 ![]() これをやすりでキレイに形を整えて完成です。 ![]() アイヴォリーのイミテーションで、一番質のあうものを探すことから初めて、 取扱店を探し、店へ出向いて、いろんな品物を見せてもらって、ようやくココまで出来上がりました。
その後の経過です。 writing slopeはその後4mmまで下がってきて、ココ1週間は下げ止まっています。 水分を吸って、このひねりは直ってきているのですが、 他の木材が膨張し始めました。他に開きや反りが見られます。 そろそろ次の策を考える時期に来ています。 フレットワークはテストピース経てOKをもらったので、コツコツと毎日空き時間に作っています。すこしづつデザインの理解も深まり、思ったようにカットできるようになって来ました。 そして、先週の木曜日、BAFRAからメンバーの1人が派遣されてきました。 家具と共にインタビューを受けました。 勝手な想像で、白衣を着た厳しい目つきの男性が来るのかと思いきや、 初老のおじさんでおひょいさんみたいなすっとんきょな感じのいい人でした。 しかし、この人すこしとんちんかん。 家具を見て、コンペティションに相応するいいオブジェクトか。 作業は終わるのか。 それらを調査しにやってきたのです。 いろいろと、最初の状態から今の状態を報告して、 OKはでたのですが、 このおじさんからたくさんの質問を受けました。 なぜ、ひねりのある部分を新しい木に変えないのか? なぜ、開いたジョイント部分をクランプで締め上げて、接着しないのか? などなど。 なぜ、このおじさんはトンチンカンかというと、 何でも早ければ、力づくでもやってしまえばいいというのが、 みえみえだからです。とても、無理強いをするいやな大人って感じでした。 その後何年かして出る影響などひとつも考慮していません。 僕達は極力オリジナルの家具の状態を保存しようと試みます。 そしてなるべく今の状態を変更せずに修復をしていきます。 しかし、このおじさんの年代では、何でも新しい部材にかえてしまい、 塗装も既存の膜をストリップして、新しいポリッシュを乗せてしまうという、 修理に近いやり方で長年やってきたのでした。 ですので、僕が今やってる作業の説明をしても、時間のかかることをわざわざやってるなんて信じられないというのが本音のようでした。 これがアンティーク修復師といわれる人たちの一面でもあります。 まだまだ、美術館のように保存を貴重として、修復をしていくという概念は根付いていません。 時間がかかって、手間もかかるので、修復師にとっても、お客さんにとってもなかなか許容しにくいのです。そこを根気良く説明して、理解してもらいながら作業をしていくことが必要です。 もしか就職して、同じ修復の考え方を持っていない場合、いやいやながら上司の言うことを聞いて作業をしなければいけないのかもと思うと、少しイヤーな気分になる一日でした。
これまでやってきた作業の一部を ポートフォリオとしてインターネット上で 見られるように、嫁さんがホームページを作ってくれました。 嫁さん、どうもありがとう。 インターネットエクスプローラーで見てください。 ファイヤーフォックスでは一部バグがあります。 http://www.masamune-workshop.com/g.html 中のサイトは英語になっていてわかりにくいかもしれませんが、 表紙の動く写真をクリックして、中に入ると 上のタブに、seat、case、table、othersと カテゴリーが分かれていまして、クリックしていただくと、 その中に行きます。 各種これまで作業してきた、家具の写真がありますので 見たいものをクリックしてください。 その中に、番号の振ったものがあります。 右上の写真を一度クリックすると 3枚の作業前、作業中、作業後の写真が出てきます。 見終わって、その次へ移動するときは、もう一度右上の 一番最初にクリックした写真をクリックして、下の3枚の写真が 消えてから、次のものへ移動してください。 おいおい、日本語や説明なども入れていきます。 ご意見等ありましたら、このブログコメントにておねがいします。 寒くなったり熱くなったり コチラもイギリスらしい天候が続いています。 で、今日は嵐の前の静けさ。 さっきまでおひさんでてたのに、 今はこんな感じです。 ![]() ワークショップ内の温度が上がり、 湿度が下がり始めました。 室内の湿度が30%近くに下がるようになりました。 家具への影響が見られ始めましたので、対策が必要。 もともとインドで作られて、イギリスへ運ばれたらしいので、 既にビャクダンが暴れていて、 前回の写真のとおり、 ベルベットを破り、水牛の角で出来たモールディングを折り、 たくさんの象牙で出来た装飾を弾き飛ばしています。 トップのふたをつないでいるヒンジのピンもはじかれています。 これ以上家具への影響を防ぐため、エアコンが登場しました。 水分を含んだ風を送りながら、すこしづつ湿度を上げたり下げたりして、 希望の湿度に調整をしてくれます。 だいたい修復工房では50%付近が良いとされています。 日本製ならもっとスマートでエアコンなんかで出来るのでしょうけど、 コチラの製品は無駄に大きくて、いかにも単純なつくりの代物です。 それでも効果は大きくて、 湿度が上がっているのが肌をとうしてわかります。 この時期の僕は、湿度が低くて気温が高いとき、 体は汗をかきたいのですが、湿度が低くて汗をかけないため、 熱が体にこもり、鼻かぜをひいた様になっていました。 とてもしんどかったのですが、 今年はこのエアコンのお陰で、しっかり汗をかき、 体の調子がいいです。 自然環境にとても左右されやすい家具を目の前にして、 これを日本で紹介したり、作業をすることは 簡単ではないなと思うようになりました。 人間の体でも対応することがこれだけ難しいのですから、 家具を対応させることが簡単だとは思えません。 作業中はワークショップの湿度を測りながら、 作業が終わったら60%から70%ほどの湿度がある 階段下のビニールハウスへ移します。 さて、 ハウスへ移して2週間が経ちました。 予測では、 「もともとこの木はまっすぐだったであろう。その木の状態が一番安定する湿度に戻して、ひねりを元に戻そう。」 というのが試みでした。 さて結果は、 ![]() 開きが10mmから6mmに下がりました。
すこしづつwriting slopeの修復が始まりました。 この引き出しはビャクダンで出来ています。 かなり密度の高い木ですので、さくさく削れます。 その感触がとても気持ちのいい材料です。 鉋で削るたびにいいにおいがします。 ![]() このslopeの引き出しを分解することから始めたのですが、 僕は3時間かけて少し組み手を緩めただけでした。 それぐらい念入りに作られたいい組み手だったのです。 念いりというのは、全てのジョイントに膠が使われていて、 薄い底板は、焼き鳥の串ほどの太さの 鉄製のピンがしっかり仕込まれていていました。 写真の黒いところにピンが入ってました。そして、この薄さの板に 段継ぎがされています。 ![]() 見かねた先生がやってきて、30分で分解してしましました。 それはもう、外科医の名手とでもいえそうなほど、 見事な手さばきで、クラシックを鼻歌でかなでながら 楽しそうにやってのけました。 その後、 writing slopeが非常に乾燥した状態にあります。 それが原因で今の状態になっているのでは、という予想から、 木材の中にある水分をコントロールして 構造部分の修復に取り掛かろうということになりました。 いたって簡単です。 まずは湿度の高い場所を探します。 それよりももう少し高い湿度にして、 その場所にwriting slopeを保管して観察しています。 水牛の角で来たモールディングを割っています。 ![]() 象牙で出来た装飾をわって弾き飛ばしています。 ![]() 底板がゆがんで波打っています。 ![]() これらは全て下地材の木が暴れておこりました。 今は木がすごい力でねじれいてます。 無理やりクランプで締め上げるようなことはしたくなかったので、 一度テンションを緩めてから施工することにしました。 面白いことがおこります。 加工された木には記憶があって、木が一番いい状態に戻ろうとする。 と、僕は思っています。 一番心地よくて、そこにいたいと思う場所に戻るのです。 ですから、水分を一度多く含ませて、 乾燥させる工程ですこしづつ圧力をかけていけば もともとまっすぐだったものはまっすぐになる場合があるのです。 しかし、木にも曲者がいて、曲がった状態が心地よければ、もっとねじれる場合も ありますし、一度まっすぐになってもまたねじれる場合があります。 結局無理やりまっすぐには出来なのいので、 木にとっていい環境を作ってやるしかありません。 こういうのも、人間の性格に似ていて面白いのです。 修復によってそれぞれアプローチの仕方違いますので、 このやり方が全てではありません。 ただし、だいたい経験者は同じような方法を取りますので、 自然な理にかなった方法はそんなに沢山ありません。 それでもその方法をとる理由や考え方は人それぞれなのが、 その人の個性を表すので 面白いのです。 これからこの板が水分を含ませることで 今はねじれによって、角が上がってしまっているこの板が 何もしなくてもフラットになるかどうかの観察をします。 ![]()
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